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米ぬかと段ボール箱を使う家庭向きコンポストづくり
段ボール箱と米ぬかを使ったコンポストづくりをはじめてみませんか。コンポストとは「堆肥(たい肥)」のことです。家庭でのコンポストづくりは生ごみの減量と街の緑化につながります。ここで紹介するのは住宅街でのコンポストづくりに向いてる、虫が湧かず、悪臭が発生しないやり方です。簡単で、しかも楽しく続けられます。
コンポストづくりをはじめました
近年、ゴミ問題がクローズアップされ、コンポスト作りが注目されはじめています。しかし、悪臭や虫が湧くなどのネガティブなイメージがあるため、興味はあっても始めることをためらう人は少なくないようです。実際、私もそうでした。そんな中、段ボール箱と米ぬかを使ったコンポストづくりを知る機会があり、実際にやってみることにしました。住宅のベランダ等、限られたスペースでのコンポストづくりに向いているので俄然やる気が出ました。せっかくなので「家で楽しく続けられる」をコンセプトとし、私なりのやり方を交えてチャレンジです。
段ボール箱で作ったコンポスト。生ごみが堆肥に変わっていきます。
家庭ではじめるコンポストづくりのメリットとは?
コンポストとは「堆肥(たい肥)」のことです。家庭で作るコンポストは、野菜くず等の生ゴミを容器に溜めて微生物などに分解してもらい、時間をかけて堆肥に変えます。コンポスト作りには幾つかのメリットがありますが、住宅地ではゴミの減量が大きな利点です。やっかいな生ごみ処理が自宅で出来なると、朝のゴミ出しが楽になります。出来上がった堆肥は、プランターで花や野菜を育てる際に使えるのもいいですね。野菜を育てて食費節約にもつなげたいものです。
シソ、ゴーヤ、シシトウ。自宅で作った堆肥を使い育てました。
段ボール箱と米ぬかを使います。
家庭でのコンポスト作りの主なやり方は「微生物の働きで発酵させる」と、「ミミズが食べて排泄し分解」の2通りです。容器は段ボール箱、木箱などがあります。専用のプラスチック容器も販売されています。自宅で気軽にはじめるにあたり、私は選んだのは「段ボール箱を使い微生物の力を借りる」やり方です。微生物の働き促進には「米ぬか」を使います。段ボール箱も米ぬかも手軽に入手でき、費用をあまりかけずに済むことが決め手になりました。
米ぬかとは?
米ぬかとは、玄米を精米した時に出る米の果皮、種皮、胚芽の総称です。有用な微生物の働きを促す栄養分が豊富であり、乳酸菌や酵母などが常在して発酵します。米ぬかは「ぬか漬け」の材料としてスーパーなどの食料品店で購入可能です。
米ぬか
コンパスト作りを始める段階で米ぬかを使うと、生ごみの分解は格段に促進されます。腐葉土、土、米ぬかを水で混ぜ合わせた「土台」を段ボール箱に入れておき、そこに生ごみを投入していくことでコンポストづくりは始まります。
新聞紙を敷き詰めた段ボール箱。腐葉土、土、米ぬか( 3: 3 :2の割合)に水を加えて混ぜた「土台」を入れました。初回の投入では、野菜くずは米ぬかをまぶしてから入れます。
生ごみの投入
段ボールのコンポスト容器に入れる生ごみは、主に野菜くずです。私の場合、夕飯を作った際に出た生ゴミを翌朝に投入する、といったルーティーンにしました。コンポスト作りでは水分が大敵なので、生ごみは紙に包むなどして水分量を50~60%になるよう乾かします。
一回に投入する量は容器のサイズに寄りますが、30g~100g が目安です。入れすぎると分解が遅くなり、臭いの原因になります。野菜くずは小さ刻むようにすると分解が早まります。
入れられる生ごみ
野菜・果物のくず全般は投入することができます。パイナップルの硬い皮でも季節によっては数日間で姿が見えなくなります。魚の骨や茶殻、コーヒーかす等も入れることができ、肉(内臓)も少量なら問題ありません。鳥の骨は分解に時間が掛かるので投入に不向きです。入れる場合はかなり細かくする必要があります。試したものの大変なため断念しました。
悪臭・虫を湧くのを防ぐポイント
対策として重要なのは「分解を促進させる」ことです。分解が進みさえすれば悪臭・虫の発生前に堆肥化できます。その為には、生ごみは細かくして乾かしてから入れるようにし、容器内はスコップでかき混ぜて新鮮な空気を入れるようにします。
魚のアラ等の臭いがちな動物性の生ごみは表面に出ないよう内部に混ぜ込みます。分解が進めば数日のうちに姿が無くなり、悪臭を発生するまでに至りません。分解が進むと容器内部の温度が上昇し、50度以上になることがあります。高温になれば虫が生きられる環境でなくなり、さらにスコップで混ぜることで虫の繁殖を阻止できます。
日々の世話を楽しみましょう
容器の中は毎日スコップでかき混ぜて、新鮮な空気を入れるようにします。私の場合、朝のゴミ投入時と夕方の一日2回かき混ぜるようにしています。一日の終わりに、もくもくとかき混ぜています。嫌なことがあった日は、混ぜながらコンポストのほかほかした温もりに安らぎを感じます。土いじりのように心の健康維持に役立ちそうです。コンポストは癒しのペット。そんな気持ちでいると長続きしそうです。
野菜くずを「たい肥化」するには時間が掛かるので、段ボール箱を2つにしました。1つは毎日の生ごみ投入用の箱、もうひとつは投入せずに分解を促す箱です。これで生ごみ処理とコンポストづくりが同時進行できるようになります。段ボール箱は風通しの良い場所に置きます。日当たりが良い場所はさらに理想的です。
コンポストづくりの詳しいやり方は動画を参考にご覧ください。 はじめる準備から日々の世話、さらに、長続きするテクニック(心の持ちよう)までをまとめました。
コンポストは、季節や入れるゴミなどの条件によって「育ち方」が変わります。自分なりに工夫をしながら、楽しんでみてください。