御岳山（みたけさん）はどんな山？

御岳山は紀元前91年創建の神社を中心に発展した山岳信仰の霊山です。736年に前身の神社が武蔵御嶽神社に勧請され、修行道の拠点となりました。江戸時代に入ると庶民による神社参りの講が盛んになり、参拝客の宿泊施設として神社の周囲に宿坊が建てられていきました。宿坊は今も営まれ、誰でも泊まることができます。

御岳山は標高929mの山であり、現在は東京から気軽に行けるハイキングスポットとして知られています。初心者から上級者までが楽しめる登山ルートが多数整備されており、武蔵御岳神社はもちろん、清らかな滝、奇岩、苔むす森など、見どころが豊富です。

御岳山ハイキングの楽しみ方

御岳山は山頂にある御嶽神社の参拝だけでも訪れる価値はありますが、せっかくなら大自然を満喫しながらハイキングを楽しみたいものです。

御岳山でのハイキングは東京からは日帰りで楽しめます。一般的なルートは、青梅線の御嶽駅からバス（約10分）に乗り、終点のバス停「ケーブル下（滝本）」で降りて、そこからケーブルカー（約6分）に乗って頂上の「御岳駅」まで行き、武藏御嶽神社への参拝やハイキングをはじめる、というものです。ケーブル駅やビジターセンターには地図が置いてあります。登山道はいくつもあって迷いやすく、地図があると助かります。

尚、御嶽駅とケーブルカー下駅（滝本駅）間のバスの運行は１時間に２本ほどです。バスを使わず歩いても行けますが、40分ほどかかります。ケーブルカーの運行は１時間に２・３本程度です。概ねバスのスケジュールに合わせた運行です。ケーブルカーに乗らず山頂付近まで歩く登山ルートもあり、所要時間は約1時間です。

先ずは武藏御嶽神社へ

ケーブルカー「御岳山駅」から武藏御嶽神社までは歩いて30分ほどです。きつい坂は多少あるものの、舗装された歩きやすい道になっています。歩みを進め、宿坊が集まる地域と土産物屋さんが立ち並ぶ道を抜けると、大きな鳥居が見えてきます。鳥居からは石段が長く続き、だんだん息があがるなか上り詰めると、ようやく神社に到着です。

鳥居から神社へと向かう途中に登山道の入り口が幾つかあります。そこから地図を頼りに好みのルートへと足を運んでいけば、登山のはじまりです。例えば、神社へ向かう石段の途中・左側にある登山道を進むと、「七代の滝」へ行けます。歩行時間は約1時間です。

登山道は多数あり

御岳山からは周囲の山へと続く登山道が幾つかあります。険しい場所も含み、登山靴を履くなどしっかりした装備が必要な中級向きの登山コースもあります。人気のルートは御岳山から日出山へと向かい、下山途中に「つるつる温泉」に寄ってひと風呂浴びてから、バスに乗ってＪＲ武蔵五日駅へと帰路につく、というものです。このスケジュールなら、神社参拝・登山・温泉が楽しめます。

宿坊体験

霊場である御岳山には滝行や神楽などが体験できる場所があり、今でも宿坊が多数あります。宿坊に１泊して日程に余裕ができれば、御嶽駅近くの御岳渓谷の散策も楽しめます。御岳渓谷には「櫛かんざし美術館」といった見所もあり、夏にはラフティングを体験できます。御岳山から日の出山までの人気ルートの登山などは早朝の出発でもきつめのスケジュールになることから、宿坊での宿泊はおすすめです。

トラベルヒント

●ケーブルカー駅から武藏御嶽山神社までの道路は舗装されていますが、登山道は険しい場所があります。ロックガーデンなど滑りやすい場所も多数あります。滑りにくい靴を履いていくことをお勧めします。

●御岳山は小さな山ですが、侮ると危険です。年間10件ほどの事故が起きています。地図は必ず持って、迷いそうになったら無理せず引き返しましょう。

●週日に行く場合、都心へと戻る帰路の途中で帰宅ラッシュにあわないよう、早めに帰ることがポイントです。

●御岳山は900m程度の山ですが、険しいルートもあります。登山の場合は、登山計画書を御嶽駅で提出しておきましょう。

●宿坊滞在には事前予約が必要です。

 あれこれ（日本語学習者の方向け情報）

日本各地にある山の名称、「御嶽山」はちょっとややこしい名称ですね。御嶽は「みたけ」または「おんたけ」と読むことがあります。漢字の「御嶽」が「御岳」となる場合もあります。東京都青梅市にあるのは御岳山（みたけさん）。その山にあるのは、武蔵御嶽神社。御岳山へ向かうバスが出ているJR駅名は「御嶽駅」で、山頂にあるケーブルカー駅は「御岳山駅」です。

関連サイト情報

御岳山・青梅・秋川渓谷周辺のバスは西東京バスが運営しています。
www.nisitokyobus.co.jp 

御岳登山鉄道
https://www.mitaketozan.co.jp/

（英語版）
http://mitaketozan.co.jp/eng2014/